鞍形の霊石

(概要)

 日田市の大原八幡宮は元大原神社、鞍形尾神社より遷祀された古社である。 鞍形尾神
社の縁起は八幡神が岩松の峯に出現したことに由来している。その岩松の峯には鞍形の石
がある。
(引用)

 日田市大字、田島184番地に鎮座する大原八幡宮は、かつて同市神来町の元大原より遷
示巳された古社である。ところが、この元大原の神社も実は、その昔、天瀬町馬原の鞍形尾
より移転したものと伝えられている。このように鞍形尾→元大原一新大原へという遷祀の
歴史がある。
 八幡神が最初に出現したという岩松の峯には、たしかに鞍形の巨石も点在しており、周
囲は大神来現の神域にふさわしく、出現年代を下げて考えた場合、この峯を鞍形尾と改称
した伝承にも十分な真実性が認められる。
 今その神域を訪ねると、前面に立っ石鳥居には「神降」の扁額を掲げ、境内には「行宮
跡」の標石と左後方には霊石が数個存する。また、この神域の東方200mには鞍形尾神
社がひっそりと鎮座しており、はるかな昔をしのぶ縁となろう。

出典
天瀬町史