旧行時家住宅
FO8
(概要)
土地の旧家存在蒙の住宅で、建築年代は構造上から見て文化年間と推定されてご、る。こ
の建物は、当地によく見られる曲屋形式の屋根と土間を広くとった大庄屋階級の家屋様式
を示し、西側に山を取り入れた見事な庭園も擁し、国の重要文化財に指定されている。

(文献)
 土地の旧家芹義家の住宅で、桁行十五・セメートル、梁間十一・八メートル、一部二階
建て寄模造、屋根は茅葺き。北側に桁行二・九メートル、梁間九・六メートルの突出部が
付設されている。
 建築年代は、文化元年(1804)と天保九年(1838)の祈祷札が現存しており、
構造上から見て文化年間(1804?18)と推定されている。下男部屋や炊事場、御膳
(食堂)、納戸などもよく旧態を保っており、医家であったので、種々の薬箱や箪笥もそ
のまま残っている。
 この建物は、当地によく見られる曲屋形式の屋根と、土間を広くとった大庄屋階級の家
屋様式を示している。母屋は南に面して、寄模作り杉皮茸、本桁の外に枝外桁と椀木によ
って支えられ、椀木下に彫刻を施した持送りがある。玄関は入母屋造り瓦茸。玄関、仏間、
客室等は各8畳で、柱、鴨居、長押等は面皮付材を使用し、当時の大工の腕が偲ばれる。
台所は板の間、天井は大和天井である。炊事場は、十二坪の土間で天井はなく梁組上に扱
首で棟を支える。
 宅地は約四百五十坪。西側に山を取り入れた見事な庭園を擁している。
 昭和五○年六月、国の重要文化財に指定された。
出典
日田市40年史