烏宿山



大山町のほぼ中央、大山川と赤石川の合流地点のやや南に位置する、独立峰。周囲の眺
望も素晴らしく、大山町全体を見溝せ、また他からもこの山は日立ってすぐに見い出すこ
とが出来る。また、古くから信仰の対象として親しまれてきた山でもある。
(文献)
 大山町のほぼ中央、大山川と赤石川の合流地点のやや南に位置する、標高546。7メ
ートル、崖を周りに伴った独立峰。地質は耶馬渓熔接凝灰岩に覆われている。女人禁制の
山で武磐建命、天忍穂耳命、応仁天皇、武内宿禰、菅原道真の五社権現を祭神とする社で
ある。その昔、修験道の霊場として英彦山とともにその名は有名だった。廃園の眺望も素
晴らしく、大山町全体を見渡せ、また他からもこの山さま目立ってすぐに見い出すことが出
来る。
 頂上には千年以上も前からと伝えられる烏宿神社が祀られている。ここは古くからの神
域であったために、神社周辺の樹林は人が手をつけることなく昔のままに保存されてきた
が、昭和三十年代に参道の下の方まで伐採してスギ・ヒノキが植林されたため、残ってい
るのは頂上部の約七ヘクタール程である。植生は、スダジイを筆頭にアカガシ、タラジロ
ガシ、タブ、ユズリハなどであり、貴重である。古老の許によると、以前ここは宮山であ
ったとのことだが、現在は神社林として麓にある小切畑・後迫・野瀬部集落の釣音戸の氏
子の手により大切に保護管理されている。1992年に町の文化財調査委農会が、大山町
指定天然記念物にすることを決定している。

烏宿山は役行者が霊場として開基したとする伝説がある。また山頂の烏宿神社は、社
伝によれば日田郡司大蔵永弘命により寛和元年(985)創建されたとある。山の中腹に
ある池の水は農作物の病気や虫よけに効く「まぼろしの水」.である、周辺が湖であったこ
ろに舟をつなぎとめた「舟つなぎ石」がある、など伝説・伝承の多い山である。
 古くから信仰の対象として親しまれてきた山であることがうかがえる。



出典
大山町誌