石井神社銅鉾

(概要)
 石井神社の宝物として保存されている銅鉾は、弥生時代の遺物で武器ではなく、祭示巳の
用具と考えられ、県有形文化財指定とされている。

(文献)
        石井町一丁目字寺内 石井神社蔵
 石井神社は日田市街の西南三粁にある。この地は古く大宰府と豊後国府を結ぶ官道が通
じており、祭神は、日田の最初の国造といわれる止波足尼命とされている。
 この神社の宝物として保存されている銅鉾は、全長セセ・五糎、幅七糎の中広銅鉾であ
る。ほかに日田地方では大原八幡宮と大山町の老松神社にも銅鉾が現存している。「百錬
抄」という書物に嘉禄元年(一二二五)五月、津江山の住人等が畠を耕作していたとき金
銅鉾二枝を掘り出し安楽寺に言上したと記されている。石井神社と老松神社のものがこの
記述の銅鉾と推測される。
 銅鉾は弥生時代の遺物で、武器ではなく祭祀の用具と考えられている。

 平成元年三月三十日 県有形文化財指定

出典
日田市史